この世の地獄独ソ戦  週刊 現代①

人類史上最悪…犠牲者3000万人「独ソ戦」で出現した、この世の地獄

知るだけで怖くなる
 

人類史上全ての戦争の中で最大の死者数を計上した独ソ戦。血で血を洗う戦場ではいったい何が起きていたのか。これまで日本で語られることのなかった絶滅戦争の惨禍を、最新研究をもとに振り返る。

わが子にわが子を食わせる

1941年、ドイツ軍に包囲されたソ連第2の都市・レニングラードの街角は死体で溢れていた。

ヒトラーは、「革命の聖地」であるレニングラードを軍隊で奪取するのではなく、包囲したうえで飢餓地獄に陥れ、市民もろとも守備隊を全滅させることを狙ったのだ。

冬が到来すると、死体から人肉を食らう凄惨なありさまとなった。ソ連の内務人民委員部(秘密警察)の文書には以下のような記録まで残っている。

「ある母親は、上の子どもたちを生き延びさせるために、末の赤ん坊を殺して食べさせた」