悲劇の独ソ戦。死ぬまで行進 週刊現代
死ぬまで行進
この独ソ戦では、無意味としか思えない民間人の虐殺まで繰り広げられた。虐殺を担当したのは、ナチス・ドイツの有する「出動部隊」(アインザッツゲルッペ)である。
ドイツ軍が制圧した領地に入り込み、教師や聖職者、貴族、将校、ユダヤ人などを、占領軍に反抗するかもしれないという理由で殺害してまわった。
「出動部隊はなんの罪もない住民たちを、森や野原に追いたて、まとめて銃殺しました。出動部隊の手にかかった人々の数は少なくとも90万人と推定されています」
出動部隊は殺害の効率化を進めるため、射殺から毒ガスの使用へと方針を切り替えた。アウシュビッツ強制収容所のガス室の最初の犠牲となったのはユダヤ人ではなくソ連軍捕虜600人だったといわれる。
開戦当初は敗北を喫したソ連軍であったが、冬が到来すると極寒を衝いて反撃を始め、戦況は泥沼化していく。
「ソ連軍の反撃に危機感を抱いたヒトラーは『総統の許可なくして、一歩たりとも退却してはならない』という仮借ない命令をドイツ軍に下しました。